中国において許家印(Xu Jiayin)という一個人が会長としてまかり通す中国最大級の不動産企業である「恒大集団」(Evergrande Group)が、なんと、1兆9700億元(約33兆5000億円)という負債額でデフォルト(default「債務不履行」)に陥り倒産(bankruptcy)の危機があるとの報道があります。

 

これにより世界の株式市場が大きな影響を受けている状況でありますが、このような桁ずれの33兆円という負債の債権者は一体誰なのでしょう?当然、海外投資家(企業もしくは国家)もあるでしょうが、中国という国家体制から推測しますと、大半は中国国家、所謂、CCP(中国共産党)自身ということではないでしょうか。従って、「恒大」という企業の倒産は中国では有り得ないと考えられます。

 

恐らく、中国において企業倒産という概念は私共が持つ欧米を含むものと大きく異なるものではないでしょうか、と考えております。私個人は検証しておりませんが、数十年前から日本や海外から中国進出が行われた訳でありますが、独資は許されず合資で進められてきた訳です。従って、進出した企業の利益の大半は中国政府のものとなり、反面、債務不履行に陥った合弁企業の負債は中国政府が負う形となっていたのではと思うのです。

 

当然、合弁企業としての海外企業が損失は負うものとしても、過去の業績の恩恵は大きく近年まで続いた中国の経済成長の中では中々上述のような環境はなく、業績の見込めない合弁企業はサッサと事業撤退(withdraw)すればよかったのでしょう。この場合、海外企業にとっては固定費を含み出資額のリスクのみで済み負債からは免除されてきたのではないでしょうか。

 

このような観点から考えますと、金ずるとなっていた中国政府の財布の中身が心配となる訳で、今回の「恒大」の問題は金額が金額だけに中国政府の対応が注目される訳です。先般の「アリババ(Alibaba Group)」の件もあり、中国の中国人民銀行はイコール中国政府であり、日本の日本銀行や米国の中央銀行(FBR)のように独立性はなく、言わば、何でも有りという訳であります。よって、33兆円とも言う桁違いの負債を持つ企業でも私共が考える倒産という概念が当てはまらないという訳です。

因みに、日本には孫正義という一個人の会長が有する「ソフトバンク」という企業グループがあり、同社は中国の「恒大」(本業の不動産以外に多面事業へ展開し、特に中国サッカー・ビジネスに多大な投資を行っている)とよく似ており本業以外にプロ野球事業に多大な投資をし、投資事業価値を30兆円以上とするも「みずほ銀行」を筆頭に19兆円という桁外れの有利子負債を有しております。これは、日本の上場企業の中では最高額でしかも飛び抜けた金額であります。言わば、日本の法令上では、「ソフトバンク」が倒産すれば、メガバンクである「みずほ銀行」ほか他の多くの債権者が連鎖倒産をする可能性を秘めている訳であります。