ニュースで、JALが「レディース・アンド・ジェントルメン」のアナウンスメントを廃止すると聞いて、かつて、しかもかなり昔の話ですが、フランス語の「マダム・エ・ムッシュー」も含め、欧米のレディーファーストのマナーを学んだことを思い出さずにいられませんでした。当時、日本では「紳士淑女」という表現で、(順序が違う)男尊女卑的な批判がありました。

で、今回の「Gender neutral」は、「LGBT」の世界でのジェンダーレスという観点から発生した考え方とは理解してはおりますが、既に十数年前から言われ続けたイシュー(issue)であります。例えば、「ビジネスマン」は死語で「ビジネス・パーソン」と言われて久しいです。「OB(old boy)」や「OG(old girl)」なんかは元々和製日本語で、まして、「OL(office lady)」に至っては初めから世界では通じません。

「ポリスマン(policeman)」も「ポリスオフィサー(police officer)」と称され、「コングレスマン(congressman)」も「コングレス メンバー(congress member)」と言うようになっております。近年まで論議されたのは「消防士(fireman)」ですが、どうやら「firefighter」で落ち着いているようです。片や、元々、男女で区別された呼び名もあります。「ウエイトレス」と「ウェイター」や、「アクトレス」と「アクター」、「ホステス」と「ホスト」、または「スツワアーデス」と「スツワアーター」などなどあります。因みに、「CA(cabin attendant)」はJALが作った造語で英語では一般的に「flight attendant(FA)」となります。ひとつだけ例外と言っていいのは「看護師(nurse)」であります。元来女性に特定された職業でありましたので、現在のように男性看護師も「ナース」と称されております。

ここで、もう一つの問題ですが、英語を含めラテン系の言語には従来から性別を明確にする表現が基本とされてきております。その点では、日本語の表現は使い勝手がイイのです。英文の場合、「だれか(someone/anyone)」の表現の後には必ず「he or she」という性別を特定する表現をしなければなりません。日本語の場合では、「その人」とか「その方」という表現が出来ます。

そこで、この日本語表現を見習って「the person」や「this/that」の表現も可能かとも思いますが、英文表現では動物に対しても「he/she」の代名詞を使うことが慣習となっておりますので、「this/that/it」の表現をすることには、動物愛護団体の抵抗が生じそうな感じが致します。

ということで、近日、性別を特定しない表現として「they」を使う動きがあると聞きました。性別を特定しない第三者の代名詞として「they」を単数扱いとして表現するという考えですが、英文法上ではあくまで「they are」の表現とし、また、「they speaks」の表現もありということで、私にとっては訳の解らない英語の世界であります。

ジェンダーレスの世界で性別を特定しないということは、グローバルな英語の世界ではそんなに簡単なことのように思えないのは私だけではないと考えます。単純に「it/that/they」のような代名詞は新たな差別を生じさせるような・・・かつての映画の「地球外生物」・・・例えば、「エイリアン(alien)」(元々の意味は外国人)のような誤解を招くことにはなってはならない訳で、日本語の「そのような方」とか「あのような方」とか・・・新たな代名詞が生まれることを心から望んでおります。