ようやくWHOが「パンデミック」を宣言し、世界各国が俄かにパンデミック対策を強烈に打ち出して来ております。欧州諸国では新型コロナウイルスを敵とした戦争と表明しております。

「戦争」の定義は、自国を守り、自国民の命を救い、攻撃してくる敵を駆逐することであります。従って、各国のパンデミック対策もその定義に倣ってあらゆる手段を駆使している訳ですが、その手法・効果・方向性には若干のズレが生じているようです。

我が国日本においては、感染者認定に唯一用いられているPCR(Polymerase Chain Reaction)検査の実施が取り沙汰されているようです。そこで、私自身の経験として思い出されるのが、大凡30年前に流行したエイズ(AIDS/HIV)であります。私がこの感染病を初めて知ったのはフランスでありました。フランス語では「SIDA」と呼ばれ、同国では「必ず死に至る」と大変怖れておりました。また、当初は同性愛者同士の性交渉から感染するとされており、その後、異性間の性交渉でも感染するとされ、今回のマスクと同様に、世界中でコンドームが売り切れた訳であります。

エイズ感染については、最終的には、血液感染と結論付けられる訳でありますが、当時私は、とある開業医でエイズ検査を受けたのでありました。医師は私に「君、よくヨーロッパで遊んでいるんだろ。ちょうど今、梅毒とエイズの検査を半額でやってるから受けて行けよ。」てな感じで思わず受けた訳ですが、当時まだ、エイズは「不治の病」で死が前提であった訳で、甚だ後悔し、結果が出るまでの数週間は生きた心地が致しませんでした。

後日解ったのですが、当時の政府はエイズ対策に対して二つに方針が割れており、今の厚労省ではなく、厚生省はとにかくエイズ感染者を洗い出す方針で献血や企業の健康診断等でエイズ検査を義務付けようとすることに対して、労働省は頑なに反対をした事実があります。労働省としてはエイズ感染者への対応が全く図られていない状況で、正に、今回の新型コロンウイルスへの対策と同様と感じざるを得ません。

ゾンビ映画や感染病パニック映画等で観るように、感染者を見つけ出し隔離または駆逐することが最優先であります。しかしながら、我が国の方針は疑念のある発症者のみの検査に留めようとしております。願わくば、奇跡的に、ワクチンや特効薬が開発または発見され、東京オリンピック・パラリンピックが無事開催されることを祈るしかありません。感染病と人類の戦いは昨日今日始まった訳ではありません。今回のパンデミックを「戦争」と捉えるならば、20世紀の大戦を経験に人類の英知でこの敵を駆逐出来るのではないかと考えます。「戦争」は「People kill people」ですが、「パンデミック」は「The earth kills people」ですから。