今年始まりましたNHK大河ドラマ「いだてん」の視聴率が伸び悩んでいるとの報道が飛び交っております。確かにかつての大河ドラマには珍しく舞台は明治後期から昭和前半にかけてのお話であります。それだけに、背景描写には興味を魅かれます。

私は個人的に宮藤官九郎氏の脚本と大好きな綾瀬はるかさんの出演を楽しみに毎回観させて戴いております。いつもながら魅了されるNHK大河の舞台セットやロケーションでありますが、今回は圧巻であります。明治時代の東京の風景や市電や汽車の登場には素晴らしいとしか言えません。

このようなドラマで欠かせないのが「時代考証」(background research) であります。私には、この英単語表現よりも「historical coordination」と表現した方が適切なようにも思えます。

英語表現の中にもこの時代考証に関わる部分は多くあります。それは、日頃私たち日本人が何気なく使用する日本語の中には英語から生まれた言葉が多くあることにあまり気付いていないということであります。例えば、「人類 (mankind) 」や「灰皿(ashtray) 」なんかは英語から日本語へ直訳されたことが想像されます。従いまして、英語が日本に入って来た江戸末期以前にはなかった日本語で、もし織田信長が「人類」言う言葉を口にしたり、江戸時代の庶民が「灰皿」を使ったりすることは、時代考証上間違った描写となる訳です。

また、「エキス」という言葉がありますが、語源はオランダ語 (extract) で英語でも同様ですが、「越幾斯 」という漢字もあります。オランダ語の伝来は英語よりも300年以上早かった訳で、ひょっとしたら、江戸時代以前にも「エクストラクト」が日本語として「エキス」と使用されたかも知れません。

このように、言葉から時代考証を観ることも面白いと思います。

もうひとつ、「いだてん」に戻って、公益社団法人「受動喫煙撲滅機構」が「受動喫煙シーンは、今後絶対に出さないで」などとNHKに申し入れたという報道がありました。これこそ、時代考証を無視したナンセンスとしか言いようがありませんね。