景気という表現には多くの英単語で表現出来ますが、しいて、ここは “boom” としましょう。

では、反対の表現ですが、「景気が悪い」という表現は ”bad economy condition” とか言われておりますが、過去の定義では “recession (不況)” と “depression (恐慌)” と使い分けられて来ております。正直、不況と恐慌の違いですら明確に説明できる方がいないのが現状でもあります。

世界の資本主義の歴史はさほど長くはなく、日本の近代経済史も敗戦後の指標でしか読み解かれておりません。(正直、明治・大正・昭和初期の日本経済を検証する内容はどれをとっても信用し難いものや、比較対象が不明なものが多いと考えるのは私だけではないと思っているからです。)

という訳で、戦後の日本経済の景気の足跡は以下のように説明されております。

・神武景気(1955-56)・岩戸景気(1959-61)・いざなぎ景気(1966-70)・いざなみ景気(2002-07)で、これらはすべてGDP(もしくは一時GNP)をベースとした経済成長の継続期間で判断した定義でありまして、言わば古典的な経済学に沿った評価である訳で、何故か時代を遡る表現となっております。おそらく、高度経済成長を目の当たりにしたかつての経済学者が「戦後復興経済に対して驚愕して、日本最初の天皇名を冠して表現したにも関わらず、それを上回る経済成長を神話を用いざるを得なかった」ように思えます。

とは言え、かつての経済展望では好景気には必ず周期が存在するというのが定番で、上記の定義された景気の狭間には必ず不況が出現したという歴史があります。

特にここで、戦後日本経済にとって”depression” と称するべきは、「オイルショック(1973-74)」「第二次オイルショック(1978-79)」「円高不況(1985-86)」と2006年の「リーマンショック」でしょう。これらはすべて外的要因で、だから”depression” と定義され、言わば「パニック(panic)」であったという訳であります。

2012年に始まった第二次安倍政権で「アベノミックス」で好況創生を図った訳ですが、先般の統計誤報もあり、果たして好況が訪れているのかは甚だ疑問であります。ただし、明らかなことは、日本企業が純益を数千億、幾つかの大企業は兆円単位の利益計上をしております。20数年程度前では考えらませんでした。

日本の企業は、かつて、従業員のための存在であり、社宅の提供やその他福利厚生のために経営資産の提供を惜しまず、それでも労働組合等との賃金闘争に向き合って来た歴史があります。

景気とは、正に庶民の景況感です。一部の富裕層や経営者によって成り立つものではありません。かつて経験したバブル経済というものがありました。上述の日本経済の足跡に説明される根拠が乏しく、その中は「なかったことにしよう」という風潮も感じ得なくないのが現状であります。

ここで、申し上げたいことは論点の景況感であります。如何に日本政府があらゆる指針で景気を提唱しても、庶民の感覚が乖離していれば、景況感は決して生まれて来ません。

何かエラそうな話になりましたが、私が経験しました景況感を申し上げますと、それは正にバブル期でありましたが、特段、収入が飛躍的に上昇した訳でもありません。ただ、バブルの風はありました。

1985年のプラザ合意で急速な円高が始まった事実はあるものの、片や輸出部門においては瀕死の状態でありましたが、円高で海外旅行や海外輸入ブランド製品への志向は急増した事実はあります。それらの余波で私が感じた景況感は、例えば、会社の出張手当が1,000円増えたとか、ホテル代の上限が8千円から1万2千円になったとか、海外出張のビジネスクラスが認められたとか、交際費枠が増えたとか、そのようなのもに景況感を感じたものです。

もちろん、飲み屋の代金も吊り上っていたのですが・・・