英語で「みんな」と言いますと、多くの方々が「everybody」という単語を思い浮かべると思いますが、この単語は、実は、単数形なのです。また、「everybodies」という単語もありません。同様に、「anybody」も「somebody」も単数形なのです。従って、後にくるbe動詞は「is」となり、決して「are」ではありません。勿論、原形普通動詞であれば「三単現のS」が必要となり、do動詞は「does」となる訳であります。

よくミュージシャンが「Everybody!」と呼びかければ、正しく、多くの聴衆者を指して「みんな!」と言っていると感じるのですが、正確にはこの単語の意味は日本語で表せば、「誰しも」とご理解下さいませ。従って、単数形なのです。では、目の前の聴取に対して、本当の意味の「みんな」もしくは「みなさん」を表現するのであれば、「all of you」もしくは、ベタな「ladies and gentlemen」が適当と思います。
ある意味、目の前に方はすべて「you」なのでありますからおのずから「you are」となっちゃいますね。穿った見方で見れば、ご自身以外はすべて「他人(others)」なのです。「only you」言われても「are」なので、何か大勢のような違和感を感じるのであれば、ここは「助動詞」の出番となって、目の前にいる「あなただけ」への表現が可能となります。

片や、「people」は複数形であります。従って、後にくるbe動詞は「are」となる訳です。時として「peoples」という表現は稀に使われてはおります。また、「people is」という表現もアリです。同様に、「information」も複数ですが「is」表現も可能です。他に「data (単数形はdatum)」や「media(単数形はmedium)」などなども「is」表現はアリとされております。

もう少し掘り下げますと、私共が昔、中・高で教わった「加算名詞」と「不可算名詞」がありますが、その昔は「羊(sheep)」や「牛(cow)」は群れを総称して複数表現しないとか、世の中で唯一無二の「世界(world)」や「太陽(sun)」なんぞは単数扱いで、しかも「the」の冠詞が必須であるとか、教わったような記憶があるのですが、世の中の変遷を経てその表現は多様化して来ておりますのが事実であります。(よって、正直言って、どうでもいいのです、今は!)

かつて、ここで「単数」・「複数」について勝手なウンチクを言わせて戴いた経緯もありましたが、基本的に日本語は「単数表現」で英語は「複数表現」の基本は変わらず、その点で、正直、現在の英語表現は些か煩わしい感を否めません。近年では「ガス(gas)」も複数表現をするようです。
そこで、思い出されるのは1967年のブロードウェイで上演された「ヘアー(Hair)」であります。ベトナム戦争中の初のロック・ミュージカルでありました。この「hair」は基本的に不可算名詞でした。「I’m wearing my hair.」と言えば「私、髪伸ばしてます。」となります。

そこで、当教室のレッスンでのシュツエーション・ゲームのテキスト(「トランプと金正恩の会話」)の1文で以下のようなワーディングを創作致しております。

金正恩  :「アンタの髪、ズラって噂じゃないの?」
      (Rumor has that you’re wearing a wig?)
トランプ :「誰がそんなことを言った? これは本物だ! 俺の髪を触ってみるかい?」
      (Who said that? This is real! Will you touch my hairs?)

ここのポイントは、トランプが「hair」を不可算名詞と捉えるなら、「this is real!(これは本物だ!)」でイイのですが、彼は「Will you touch my hairs? (俺の髪を触ってみるかい?)」と加算名詞で言っちゃいました。
と言うことで、「These are real!」と言うところのトランプの言い間違いと取るか、やっぱり、「This is real! (このズラ、本物!)」と受け取るのか・・・もしトランプが「Will you touch my hair?」と返せば整合性が取れるでしょうが、ジョークにはならないので、「This is…」と言った瞬間に、金正恩が「あ、やっぱ、ズラね!」というジョークに仕立ててみました。