昨今やたらと「戦略(Strategy)」という言葉を耳にします。「経営戦略」とか「戦略的施策」とか、私は時々「何がどう戦略的なの?」っていう返しをしたくなる訳であります。

元々「戦略」とは軍事用語であり、現代社会においてはその定義が更に広義に使われ、時として、曖昧になって来ておりますが、少なくとも「戦略」には、大前提として「目的」が必ず設定されていなければなりません。その目的は、「aim」であり「target」であり、また「goal」でも「end」でもある訳です。仮に戦争であるのであれば、それは「勝利」ということになります。

して、昨晩のワールド・カップ日本vsポーランド戦でありますが、これは正に「戦略的勝利」でありました。
ゲーム自身は0-1でポーランドに敗戦してしまいましたものの、決勝トーナメントへの進出という勝利を勝ち得ることが出来ました。
当初の日本チームにとっては、「決勝トーナメント」という戦略よりも目の前のポーランドチームに勝つか、最低ででも引き分けに持ち込むという作戦、つまり「mission」もしくは「operation」に立ち向かっていたのでしょう。メンバーの入れ替えも作戦のひとつであったかも知れません。

後半ポーランドに1点先取された後もその作戦は続行されていた訳ですが、後半、コロンビア戦でセネガルが1点取られた状況下で、西野監督が下した決断こそが正に「戦術(Tactics)」であります。
「決勝トーナメント」という戦略的目的に対して「1点負けを覚悟の撤退」という戦術で作戦変更を行った西野監督は名将以外の何ものでもありません。

勿論、残り大凡10分間程度の間でセネガルが同点に持ち込めなかったという「100万分の1の運(Luck of one millionth)」があったことも確かであります。