またブログ更新を少しサボってしまいました。

現在、政府と自民党内で論争となっております「全面禁煙(Total Smoking Ban)」ですが、厚労省は「受動喫煙 (passive smoking)」対策としております。これに対して喫煙者は「能動喫煙 (active smoking)」と位置付けられます。とある政治家は、かつて8割以上(主に男性)あった喫煙率が3割を下回った昨今でも肺ガン患者が増加し続けていると受動喫煙の関係性を否定しようとしております。

確かにここ半世紀近くの中でタバコに係わる環境は大きく変わっています。昭和30~50年代では「大人は皆タバコを吸っている」という感覚がありました。全く規制なく、どこでも喫煙可能でありました。子供のころ、タバコの煙が充満した空間を通して観た映画は、今思えば、すごくノスタルジックに思えるものです。灰皿なんてありませんので、床にポイ捨て(litter) が普通でした。

1970年代の米国でも喫煙は自由で、大学の授業でも灰皿を持参すれば教授も生徒も、何だか、OKでした。元々、当時は、米国は世界最大のタバコ大国であり、フィリップモリス(Philip Morris)やレイノルズ(Reynolds)といった巨大タバコ企業が20世紀の米国経済を席巻しておりました。また、ヴァージニア、ノースカロライナ、ケンタッキー、テネシーの4州で最高品質の葉タバコが栽培されており、世界中からバイヤーが殺到しておりました。勿論、日本の専売公社(現 JT)も多くを買い付けておりました。

そのような米国が、1990年に入ったころから「禁煙・嫌煙(anti-smoking)」の運動が激しく展開されました。勿論、米国のみならず、世界的に同様の傾向が浮上し始めたわけであります。時系列的な記憶では、先ずは航空機でした。中国の小さなライン数社を残し、機内全面禁煙に最後まで抵抗したのはエア・フランスであったと思います。結果、8名のパイロットが会社方針に抗って辞職したと聞いております。次いで、新幹線を含む特急列車、それからタクシー、そもそも日本の電車・バス等公共交通機関では「消防法」等で規制済みでしたが、喫煙者にとって特別な空間であった「最後の砦」が規制されたわけであります。

ちょうどその頃、パリで貸切観光バスに乗り合わせたわけでありますが、乗客半数が米国のご婦人で前方座席、残り半数がイタリア人男性で後方座席を牛耳っておられました。バスの各座席には灰皿が設置されており、ある男性が米国人のご婦人のひとりに “Do you mind smoking a cigarette ?”(タバコを吸っても宜しいですか?)と一言聞いたところ、そのご婦人から鬼のような形相で “Yes! I do mind !”(ぜったい、ダメ!)と怒鳴られました。それを聞いたイタリア人数名が後方座席から駆け寄って「何でアメリカ人は礼儀を知らないんだ!」や「俺らも吸おうぜ!」等々の罵詈雑言が行き交い車内で双方が大揉めに揉めた事件を思い出しました。

最後に、実は、私は40年間以上の愛煙家であります。受動喫煙には十分に気を配る所存ではありますが、全面禁煙となりますと、やはり、悲しいです。因みに、パリでの「ある男性」とは私のことです。タバコに火をつける前にアメリカのご婦人たち vs イタリア男共のケンカに火をつけてしまいました。